熨斗岬
人生のモノローグのために日記をつけている。 脱水症状で死にかけのアタマが見せる夢はあまりにも希薄で美しく、いつまでもそこに居たいとさえ思う。浅い微睡を何度も繰り返す。その時に初めて私が見た世界の集合。それが熨斗岬の基底です。 熨斗岬という地名は当然実在しません。熨斗というのは水引がついてる包装紙のよくついてる右上のアレなのですが、正直語呂だけで選んでいるので、あまり深い意味はないです。岬の方は結構考えてて、元々自分の創作シリーズには絶対入れようと思っていた字なんです。というのは、この作品を書こうと思った根幹が夢日記であること。僕自身の信仰…ではないですが、夢というのは記憶の漂流だと思っていて。それの流れ着いたものの記録、それが夢日記だと考えています。 夢日記自体結構リスクの高い行為なので、お勧めはしませんし、僕も1ヶ月程で危険を感じたため辞めています。というので、漂流したものが流れ着いた岬、そこで書いた物語ということで「熨斗岬」となったのでした。 だからこそ、登場人物にはあまりバックグラウンドを作っていません。夢というものは脈絡がないですから、オムニバスに登場させたかった僕は敢えて多くの設定を作らないよう努力しています。
